シリーズトラブル防止の労働法実務
第25回・労働条件の適法な引き下げ方法③
~労働協約締結による労働条件引き下げの方法~
労働協約の一般的拘束力は不利益変更でも原則として認められる
労働協約は、就業規則や労働契約に優先する効力を持つ。自社に労働組合がある場合は、労働組合と団体交渉を行い、労働協約を締結または現行の労働協約を改訂することにより、その組合に加入している従業員(組合員)の労働条件を切り下げるという方法もある。新たな労働協約の内容は、その規範的効力により組合員全員に及び、個別にその不利益変更に反対する組合員がいたとしても、その組合員を拘束する。 さらに労働協約には、同種の労働者の4分の3以上に適用される場合には、非組合員であっても、管理職(利益代表者)でなければ、他の同種の労働者にも拡張適用されるという一般的拘束力がある。この一般的拘束力は、労働条件の不利益変更についても、当該労働協約を特定の非組合員に適用することが著しく不合理と認められるなど特段の事情がある場合を除き、原則として、効力が認められる。
News
- (厚労省の研究会が新ジョブ・カードの案を示す) 簡素な様式で電子化し個人が蓄積・保存
- (25年・技能実習生関係の監督指導) 違反率は前年を0.5ポイント上回る79.6%
- (25年度・雇用均等基本調査結果) ポジティブ・アクション取組み企業割合が大幅減
- (26年4~6月の均等法等施行状況) 均等法の是正指導件数が前年同期比61%の大幅増
- (25年度・労働保険適用徴収状況) 適用事業場は前年度末比1.5%増の約302万事業場
- (厚労省・健康意識に関する調査結果) 7割以上の者が自分のことを「健康」と考える
特集トピックス
「平成26年版厚生労働白書」のポイント
およそ7割の人がストレス感じる 現役世代の男性は仕事に悩む割合高い
特集ひと はなし
労働時間法制に関する改正法案を 次期通常国会に提出へ
◆岡崎淳一 労働基準局長に聞く
特集ひと はなし
改正派遣法の来年4月施行に向け 臨時国会への法案提出を目指す
◆生田正之 職業安定局長に聞く
シリーズ転ばぬ先の労働法〈紛争予防の誌上ゼミ〉
第16講 ハラスメント問題への対応②
具体的な日時、場所、態様の聴取を 日頃からの「人権感覚」の研鑽を
シリーズ解釈例規物語
第61回 第20条関係〔予告手当の支払なき即時解雇と賃金保障、予告手当の時効〕
(昭和23・3・17 基発第464号、昭和24・5・13 基収第1483号、昭和24・7・2 基収第2089号、昭和24・7・27 基収第1701号、昭和27・5・17 基収第1906号)
予告手当を支払わないで行った解雇は30日後に解雇する旨の予告として有効 予告手当は即時解雇と同時に支払うべきもので一般に時効の問題は生じない
シリーズ労働局ジャーナル
監督指導を実施した128介護事業場のうち94事業場で法令違反が認められる
埼玉労働局
シリーズ労働スクランブル
~働く側の人・組織からの声・意見~
第193回
どう実現する 消費につながる賃上げ
~2014春闘で2%台賃上げも、実質賃金3ヶ月連続3%減では?~
労務相談室
- セクハラ社内のトイレ清掃は女性のみが担当/セクハラに該当するか
- 就業規則等有期の大学教員が一定期間は高校で授業/無期転換申込権どうなる
- 紛争・訴訟訴訟で付加金支払命令のおそれ/提訴前に請求額支払うとどうなる
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