シリーズ人事異動の法律ルールと実務Q&A
第11回・企業間人事異動(出向、転籍)②~出向命令権の根拠・出向命令権が制限される場合~
労働者への報復など不当な動機・目的による出向命令は権利の濫用で無効に
使用者の出向命令は、あらかじめ出向者本人の同意(包括的同意で足りる)があれば、原則として有効であり、出向者はその命令に従わなければならない。 ただし、出向命令が、①業務上の必要性、②対象労働者の人選の合理性(不当な動機・目的がないことなど)、③出向の手続の正当性、④出向により労働者にとって著しい不利益のないことなど──のいずれかを欠いている場合には、その出向命令は権利の濫用として無効になる。 判例で確立されているこの考え方は、労契法14条に明確に規定されている。 判例では、裁判で解雇無効とされ会社に復帰させた労働者に命じた下請企業への出向命令について、「業務上の必要性、人選上の合理性は到底認められず、むしろ、協調性を欠き勤務態度不良と評価する者を、出向という手段を利用して職場から放逐しようとしたもの」と判示し、その出向命令を権利の濫用として無効としたものがある。
News
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特集厚生労働行政の抱負
2016年 厚生労働行政の抱負
シリーズ労働局ジャーナル
ストレスチェック制度の施行に合わせ 局内で初となる「個別相談会」を実施
岡山労働局 笠岡労働基準監督署
シリーズ裁判例から学ぶ予防法務
第16回 南淡漁業共同組合事件 大阪高裁 平成 24 年4月 18 日判決
名義人に無断で預金振り替えた担当者を普通解雇
解雇前に段階的な注意や処分などのステップを踏むことが原則
シリーズ労働スクランブル
~働く側の人・組織からの声・意見~
第239回
2016春闘 昨年実績プラスに期待感
~労使の主張出揃う。連合は4%程度 経営側は前年比増~
労務相談室
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