特集特別条項付き三六協定の締結・実績の状況
厚生労働省「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」を開催
2割強の企業で特別条項付き協定を締結 現在上限なく1年1000時間超のケースも
厚生労働省は、平成28年9月9日、第1回「仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会」(座長・今野浩一郎学習院大学経済学部経営学科教授)を東京都港区の中央労働委員会講堂で開催した。 当日の山越敬一労働基準局長の説明によると、同検討会の開催趣旨は、今年6月2日に閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」において「労使で合意すれば上限なく時間外労働が認められる、いわゆる36(サブロク)協定における時間外労働規制の在り方について、再検討を開始する」とされたことを受けて「検討会を開催し、我が国における時間外労働の実態把握など、検討を行う」とのこと(とりまとめの時期などは未定(平成28年9月27日時点))。 同検討会では、労働基準法上の三六協定における時間外労働規制の在り方などを検討することになっている政府の「働き方改革実現会議」(平成28年9月16日設置)の議論に資するような議論が行われるものとみられる。 第1回の検討会では、①三六協定上の延長時間、実際の時間外労働実績などの実態や課題の把握、②諸外国における労働時間制度の現状と運用状況、③健康で仕事と生活の調和がとれた働き方を実現するための方策――などのテーマに関して、参集された委員らの意見交換が行われた。委員からは「単純に労働時間の『上限規制』を導入すれば良いということではなくマネジメントの方法を変える必要がある」などの旨の意見が出ていたほか、「女性活躍推進法における『行動計画』の策定にならい、自社の労働時間制度に関してホームページなどに掲示することを求めたらどうか」などの提案もあった。 今後、三六協定のうちでも特に例外的に限度時間を超える「特別延長時間」を設定することができ、その上限時間が法令等で規定されていない(いわゆる「青天井」となっている)「特別条項付き三六協定」についての検討などが行われるものとみられる。そこで、今号は、我が国における時間外労働の状況のうち、特に特別条項付き三六協定の締結状況や、同協定の締結事業場における時間外労働の実績などについてみる。(編集部)
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