特集高齢期の就労と年金受給の在り方
繰下げの上限年齢を75歳に引き上げ 受給開始を60歳~75歳に選択可能など
厚生労働省は、2019年10月18日開催の第12回社会保障審議会年金部会(部会長・神野直彦日本社会事業大学学長・東京大学名誉教授)において、「高齢期の就労と年金受給の在り方」に関する本格的な議論を開始した。 主な検討課題は、①「繰下げ制度の柔軟化」、②「在職定時改定の導入」──の2つ。 ①の「繰下げ制度の柔軟化」では、⑴「繰下げ受給の上限年齢を75歳に引き上げること」、⑵「繰下げ受給の減額率を1月当たり0.4%(最大24%)等とすること」、⑶「75歳以降に繰下げ受給の申し出を行った場合、75歳に繰下げ受給の申出があったものとして年金を支給すること」、⑷「70歳以降に裁定請求を行い、かつ、裁定請求時点において繰下げ受給を選択しない場合、年金額の算定を、5年前に繰下げ受給の申出があったものとして年金を支給すること」──について検討するとしている。 ②の「在職定時改定の導入」では、在職中の65歳以上の者について、年金額の改定を定時(毎年1回)に行うことを検討。これにより在職年金受給者は、実態にあった年金を受給することが可能となる。改正法案は、来年の通常国会に提出される見通し。(編集部)
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