特集全世代型社会保障構築会議の報告書
短時間労働者の被用者保険適用に関する 企業規模要件撤廃など着実に進める
令和4年12月16日に政府は、「第12回 全世代型社会保障構築会議」を開催し、12回にわたって開催してきた会議での議論をとりまとめ、「全世代型社会保障構築会議 報告書 ~全世代で支え合い、人口減少・超高齢社会の課題を克服する~」(以下「報告書」という)を公表した。 報告書では、全世代型社会保障の基本的考え方や、「こども・子育て支援の充実」、「働き方に中立的な社会保障制度等の構築」──など、各分野における改革の方向性について示している。 働き方に中立的な社会保障制度等の構築では、「勤労者がその働き方や勤め先の企業規模・業種にかかわらず、ふさわしい社会保障を享受できるようにするとともに、雇用の在り方に対して中立的な社会保障制度としていく観点から、『短時間労働者への被用者保険の適用に関する企業規模要件の撤廃(週20時間以上勤務する短時間労働者にとって、勤め先の企業の規模(厚生年金保険の被保険者数101人以上)によって被用者保険の適用に違いが生まれる状況の解消を図り、企業規模要件の撤廃について早急に実現を図るべき)』、『個人事業所の非適用業種の解消(常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種(健康保険法等に規定する17事業以外)については、労働者がいずれの事業所で勤務するかによって被用者保険の強制適用の有無が異なる状況の解消を早急に図り、また、5人未満を使用する個人事業所についても、そこで働く方々への被用者保険の適用を図る道筋を検討すべき)』──等の課題への対応を着実に進めるべきである」としている。 今号では、報告書の「各分野における改革の方向性」を中心にてみていく。
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