特集厚生労働省・令和6年度予算概算要求①
令和6年度要求額は33兆7,275億円で 対前年度当初予算比5,866億円の増額
令和5年8月31日に厚生労働省は、「令和6年度予算概算要求」の主要事項をまとめた。これによると、令和6年度の要求額は、一般会計33兆7,275億円となり、対前年度当初予算比5,866億円の増額となった。このうち、「年金・医療等に係る経費」として31兆8,653億円(同4,820億円増)、「重要政策推進枠」としては、1,518億円──を計上している。 他方、【特別会計】は、「労働保険特別会計」が4兆1,572億円(同4,250億円の減少)、「年金特別会計」が71兆1,965億円(同9,611億円の増加)──などとなっている。 今回の重点要求は、①「今後の人口動態・経済社会の変化を見据えた保健・医療・介護の構築」、②「構造的人手不足に対応した労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進」、③「包摂社会の実現」──の3分野。 重点要求②「構造的人手不足に対応した労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進」では、⑴「最低賃金・賃金の引上げに向けた支援、非正規雇用労働者の処遇改善等」、⑵「リ・スキリング、労働移動の円滑化等の推進」、⑶「多様な人材の活躍と魅力ある職場づくり」――が盛り込まれている。 上記⑴では、「最低賃金・賃金の引上げに向けた中小・小規模企業等支援、非正規雇用労働者の正規化促進、雇用形態に関わらない公正な待遇の確保」に677億円(令和5年度当初予算額625億円)、⑵は、「リ・スキリングによる能力向上支援」に1,468億円(同1,379億円)、「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」に0.6億円(新規)、「成長分野等への労働移動の円滑化、人材確保の支援」に619億円(同614億円)──に関して増額要求をしている。 今号では、「令和6年度予算概算要求」の重点要求②の中の、⑴、⑵を中心にみていき、⑶などについては、次号の特集で紹介予定。
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