特集次期年金制度改革の方向性①
短時間労働者の適用拡大では企業規模や賃金要件は『撤廃する方向』で概ね一致
令和6年12月25日に厚生労働省は、同日付けでとりまとまった「社会保障審議会年金部会における議論の整理」(以下「議論の整理」という)を公表した。 議論の整理では、「被用者保険の適用拡大」、「いわゆる『年収の壁』と第3号被保険者制度」、「在職老齢年金制度の見直し」、「標準報酬月額上限の見直し」、「基礎年金のマクロ経済スライドによる給付調整の早期終了」、「高齢期より前の遺族厚生年金の見直し等」──など、次期年金制度改革の具体的な内容等について整理されている。 例えば、被用者保険の適用拡大では、短時間労働者への適用拡大として、「『当分の間』の経過措置として設けられた企業規模要件(現在、厚生年金保険の被保険者の総数が常時51人以上)については、労働者の勤め先や働き方、企業の雇い方に中立的な制度を構築する観点から、『撤廃する方向で概ね意見が一致した』」としている。 また、月額賃金8.8万円以上とする賃金要件についても、「就業調整の基準(いわゆる『106万円の壁』)として意識されていることや最低賃金の引上げに伴い週所定労働時間20時間以上とする労働時間要件を満たせば賃金要件を満たす地域や事業所が増加していることを踏まえ、『撤廃する方向で概ね意見が一致した』」とされている。 今号では、議論の整理の「被用者保険の適用拡大」、「いわゆる『年収の壁』と第3号被保険者制度」、「在職老齢年金制度の見直し」についてみていき、そのほかについては、次号の特集で紹介する予定。
News
- (女性活躍とハラスメントで労働政策審議会が建議) 今国会に義務拡大を含む改正法案提出
- (労働基準関係法制研究会 報告書) 労基関係法制研究の場引き続き設けることを要望
- (社保審・年金部会「議論の整理」) 福岡大臣は今年の通常国会に改正法案提出の意向
- (厚労省・常時介護判断基準研究会) 障害児や医療的ケア児の解釈困難なため見直しを
- (令和6年毎月勤労統計の特別調査) 「きまって支給する現金給与額」が過去最高額に
- (厚労省・国交省の7年度予算案) 建設業人材確保・育成に向けた取組み進めていく
- (初の「外国人雇用実態調査」結果) 雇用理由は「労働力不足の解消・緩和」が64.8%
- (厚労省「闇バイト」対策で通達) 求職者に「怪しい求人には応募しない」旨を周知
- (令和5年「国民健康・栄養調査」結果) 20歳以上の歩数は男6628歩・女5659歩と減少傾向
特集
フリーランス法Q&A⑧
出産等の配慮受け業務量減少分の減額の話合いはハラスメントに該当しない
シリーズ労働局ジャーナル
働き方改革を推進する運送事業者と 荷主企業5社を交えて意見交換行う
東京労働局
シリーズ転ばぬ先の労働法〈紛争予防の誌上ゼミ〉
第65講 令和6年春夏の最高裁判決の影響《2》
職種限定合意がある場合の配置転換
職種限定合意あれば個別的同意なく配転を命ずることはできないと明言
シリーズ労働保険審査会の裁決事例に学ぶ
69
交通事故に遭遇。療養し、治癒後の障害等級に不服
労務相談室
- 保険手続離職票が直接退職者に送信される新サービス/受けるための要件は
- 懲戒出勤停止処分期間中は無給/期間は任意に設定可能か
- 労働基準法基準日は1月だが4月から時間単位年休実施/年5日の算定は
【労働基準広報】読者会員専用サイトでは以上の記事の全文(PDF)を閲覧できます。