特集労働施策総合推進法の改正案
事業主にカスハラ防止措置義務を課す改正は令和9年度から施行の見通し
政府は令和7年3月11日、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(編注:労働施策総合推進法)等の一部を改正する法律案」(以下「改正法案」及び「改正法案要綱」)を閣議決定し、同日中に国会(令和7年常会)に提出した。 改正法案は、多様な労働者が活躍できる就業環境の整備を図るため、ハラスメント対策の強化、女性活躍推進法の有効期限の延長を含む女性活躍の推進、治療と仕事の両立支援の推進などの措置を講ずることを目的とするもの。主に、「労働施策総合推進法」、「男女雇用機会均等法」、「女性活躍推進法」の3法の改正項目を盛り込んでいる。 改正法案の内容は、労働政策審議会(会長・清家篤日本赤十字社社長、慶應義塾学事顧問)が、福岡資麿厚生労働大臣に建議した「女性活躍の更なる推進及び職場におけるハラスメント防止対策の強化について」(令和6年12月26日。以下「建議」)及び「今後の労働安全衛生対策について(報告)」(令和7年1月17日)に基づいたもの。改正法案要綱(諮問案件)について、労働政策審議会は、令和7年1月24日に「妥当」と認める旨を答申していた(本誌第2196号(2025年3月1日付)「NEWS」参照)。 今号では、「カスタマーハラスメント防止対策」、「治療と仕事の両立支援の推進」を盛り込んだ労働施策総合推進法の改正内容を中心にみていく。
News
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特集レポート
東基連・中央支部「女性活躍推進セミナー2024」
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特集トピックス
労働保険等における「現物給与の価額」の改正
全都道府県の「食事の額」235件中223件を引き上げ4月から適用
シリーズ企業税務講座
第135回 「103万円の壁」の結末
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シリーズ弁護士&元監督官がズバリ解決!~労働問題の「今」~
第128回 詐欺的業務命令と不法行為─SES会社経営者ら事件
SE未経験者に違法に経歴詐称を命じて派遣していた経営者に賠償命じる判決
シリーズ労働スクランブル
~働く側の人・組織からの声・意見~
第487回
仕事時間減らし、睡眠・自由時間増やしたい
~連合総研のワークライフバランス意識と実態調査に見る希望と現実~
労務相談室
- 労働基準法研究開発部門から上限規/制適用部署に配転・出向三六協定の適用は
- 雇用保険法今年4月から育児による時短勤務労働者に給付金/要件や手続きは
- 賃金関係特定の新卒社員の基本給を30万円に/異動の範囲異なるので良いか
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