特集厚生労働省・令和8年度予算概算要求①
リ・スキリングによる能力向上支援や労働移動の円滑化等に1,961億円計上
令和7年8月29日に厚生労働省は、「令和8年度予算概算要求の主要事項」をまとめた。 これによると、令和8年度の要求額は、一般会計が34兆7,929億円となり、対前年度当初予算比で4,865億円の増額となった。このうち、「年金・医療等に係る経費」として32兆9,387億円(同3,516億円増)、「裁量的経費」として8,245億円(同982億円増)、「義務的経費」としては、1兆297億円(同367億円増)──を計上した。一方、特別会計では、「労働保険特別会計」が3兆3,229億円(同70億円増)、「年金特別会計」が72兆2,479億円(同693億円増)──などとなっている。 令和8年度の重点要求は、I「社会の構造変化に対応した保健・医療・介護の構築」、II「物価上昇を上回る賃上げの普及・定着に向けた三位一体の労働市場改革の推進と多様な人材の活躍促進」、III「包摂的な地域共生社会等の実現」──の3つの柱が挙げられている。 重点要求のIIでは、⑴「賃上げ支援、非正規雇用労働者への支援」、⑵「リ・スキリング、ジョブ型人事、労働移動の円滑化の推進」、⑶「人材確保の支援」、⑷「多様な人材の活躍促進と職場環境改善に向けた取組等」、⑸「女性の活躍促進」──が盛り込まれている。 ⑴では、「中小・小規模企業等に対する賃上げ支援、非正規雇用労働者への支援」に2,022億円(令和7年度当初予算額2,003億円)、⑵では、「リ・スキリングによる能力向上支援、ジョブ型人事指針の周知、成長分野等への労働移動の円滑化」に1,961億円(同1,908億円)、⑶は、「深刻化する人手不足への対応」に515億円(同484億円)──の増額要求をしている。 今号では、重点要求IIの⑴から⑶を中心にみていき、⑷、⑸については、次号の特集で紹介予定。
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