特集令和8年1月施行 中小受託取引適正化法⑤(最終回)
(委託事業者の禁止行為(不当な経済上の利益の提供要請、不当な物品等の内容の変更及び不当なやり直し、協議に応じない一方的な代金決定))
その他の事情には委託事業者から従前の代金引下げを求められた等が含まれる
本誌第2229号(2026年2月11日付)の特集「令和8年1月施行 中小受託取引適正化法④」(委託事業者の禁止行為(買いたたき、購入・利用強制、報復措置、有償支給原材料等の対価の早期決済))では、令和8年1月1日に施行された、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(以下「中小受託取引適正化法」という)において委託事業者に定められている禁止行為のうち、「買いたたき」、「購入・利用強制」、「報復措置」、「有償支給原材料等の対価の早期決済」──を紹介した。 最終回となる今号では、禁止行為の「不当な経済上の利益の提供要請」、「不当な物品等の内容の変更及び不当なやり直し」、「協議に応じない一方的な代金決定」(今回の改正により追加)──について、「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律の運用基準」(以下「運用基準」という)などを交えながらみていく。 今回の改正で禁止行為に追加された、協議に応じない一方的な代金決定とは、「中小受託事業者の物品等に関する費用の変動その他の事情が生じた場合に、中小受託事業者から製造委託等代金の額に関する協議の求めがあったにもかかわらず、当該協議に応じなかった、または当該協議において中小受託事業者から求められた事項について必要な説明もしくは情報提供を行わず、一方的に製造委託等代金の額を決定することにより、中小受託事業者の利益を不当に害すること」をいう。 運用基準では、中小受託事業者の物品等に関する費用の変動その他の事情が生じた場合について、「中小受託事業者の物品等に関し、代金の額に影響を及ぼし得る事情がある場合をいい、労務費、原材料価格、エネルギーコスト等の高騰による中小受託事業者の物品等に要する費用の変動のほか、従来の納期の短縮、納入頻度の増加や発注数量の減少等による取引条件の変更、需給状況の変化、委託事業者から従前の代金の引下げを求められた場合などの事情が含まれる」としている。 また、一方的に製造委託等代金の額を決定することについては、「中小受託事業者の自由な意思による価格交渉を経ずに代金の額を設定することをいい、協議に応じなかった、または必要な説明もしくは情報提供を行わずに、代金の額が定められた場合が該当する」と示されている。
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