特集骨太方針2025と実行計画改訂版 ①
賃金・労働条件関係
「賃上げこそが成長戦略の要」として年1%の実質賃金上昇を定着させる
政府は令和7年6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針2025」(以下「骨太方針」)、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」(以下「実行計画改訂版」)、「規制改革実施計画」を閣議決定した。 今年の骨太方針は、「第1章 マクロ経済運営の基本的考え方」、「第2章 賃上げを起点とした成長型経済の実現」、「第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現」、「第4章 当面の経済財政運営と令和8年度予算編成に向けた考え方」──の4章から成り、「第1章」では、賃上げを起点とした成長型経済の実現を重点に、実質賃金を年1%押し上げる目標を掲げた。そして、「第2章」では、「物価上昇を上回る賃上げの普及・定着」等に重点を置いて、①中小企業・小規模事業者の賃金向上推進5か年計画の実行、②三位一体の労働市場改革、③多様で柔軟な働き方の推進──などに取り組む方針を示した(10ページ参考参照)。その詳細な内容は、実行計画改訂版や規制改革実施計画に記載している。 政府は、今後、上記の政策方針に基づいて予算編成や制度改正を行い、速やかに施策を実行していくこととしている。労働政策審議会では、令和7年6月16日開催の「第200回 労働条件分科会」(分科会長・山川隆一明治大学法学部教授)、同月20日開催の「第214回 職業安定分科会」(分科会長・阿部正浩中央大学経済学部教授)において、関係する項目の検討を開始した。 ここでは、骨太方針等における雇用・労働政策の方針等を中心に紹介する。今回は、賃金や労働条件に関する項目を中心にみていく。
News
- (厚労省「今後の障害者雇用促進制度研究会」に報告) 令和6年度の障害者の解雇過去最多に
- (令和6年度 過労死等の労災補償状況) 精神障害の労災認定は前年度比172件増の1055件
- (「公的職業訓練の研究会」が報告) 令和8年度に非正規対象オンライン訓練の全国展開を
- (個別労働紛争解決制度の施行状況) 総合労働相談件数が5年連続で120万件を超える
- (差別禁止・合理的配慮の相談等) 相談件数は438件と前年度に比べて78.8%増加に
- (労使コミュニケーション調査) 労使関係が安定的と認識する事業所86.2%に増加
- (令和6年「労働災害動向調査」) 総合工事業の度数率・強度率・労働損失が増加に
- (令和6年度 石綿の労災給付等の状況) 請求・決定件数は増加も支給決定は2.6%減少に
特集
労働安全衛生法等の改正②
職場のメンタルヘルス対策の推進
ストレスチェック実施義務の全面適用は令和10年度に施行の見通し
シリーズ弁護士&元監督官がズバリ解決!~労働問題の「今」~
第131回 解雇撤回後の賃金請求権―K’sエステート事件をめぐって
解雇撤回後の労働者の復職の際は会社に職場環境を配慮する義務が
シリーズ労働スクランブル
~働く側の人・組織からの声・意見~
第493回
将来の安定と好きなことを仕事にしたい
~明日を担う小中高校生たちの大人になったらなりたいもの~
労務相談室
- 高年齢者原則的な定年を65歳としながら60~64歳の選択定年制導入したい/注意点は
- 労働基準法医師と医師以外の職員の就業規則の備え付け場所が異なる/適法か
- 社会保険マイナ保険証者が喪失手続き未処理のまま再就職先で健康保険資格取得/影響は
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