厚生年金の標準報酬月額を段階的に引上げ2027年9月に第33... ダイジェスト一覧

特集改正年金法③

(厚生年金保険の標準報酬月額の上限の段階的引上げ、の将来の基礎年金の給付水準の底上げ、私的年金制度の見直し)

厚生年金の標準報酬月額を段階的に引上げ2027年9月に第33級を新設

 前回(本誌第2210号(2025年7月21日付け))の特集「改正年金法②(遺族年金の見直し)」では、2025年6月13日に可決・成立し、同年6月20日に公布された「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律」(以下「改正法」という)の、I「働き方に中立的で、ライフスタイルの多様化等を踏まえた制度を構築するとともに、高齢期における生活の安定及び所得再分配機能の強化を図るための公的年金制度の見直し」の中の、3「遺族年金の見直し」について紹介した。  今号では、Iの4「厚生年金保険の標準報酬月額の上限の段階的引上げ」、5「将来の基礎年金の給付水準の底上げ」、II「私的年金制度の見直し」──をみていく。  4の厚生年金保険の標準報酬月額の上限の段階的引上げでは、負担能力に応じた負担を求め、将来の給付を充実する観点から、厚生年金保険の標準報酬月額の等級区分について、現行の標準報酬月額等級第32級(標準報酬月額:65万円)の上に、「2027年9月1日に、標準報酬月額等級第33級(標準報酬月額:68万円)」、「2028年9月1日に標準報酬月額等級第34級(標準報酬月額:71万円)」、「2029年9月1日に標準報酬月額等級第35級(標準報酬月額:75万円)」──と、段階的に引上げるとしている。  5の将来の基礎年金の給付水準の底上げでは、「政府は、今後の社会経済情勢の変化を見極め、次の財政検証(2029年予定)で、基礎年金の給付水準の低下が見込まれる場合に、給付と負担の均衡をとりつつ、厚生年金保険の者も受給する将来の基礎年金の給付水準を向上させるため、基礎年金のマクロ経済スライドの調整を早く終わらせるように必要な法制上の措置(厚生労働省は、基礎年金の底上げの具体的な方法の1つとして、「厚生年金の積立金を活用する方法」を検討)を講じる」としている。また、併せて、「上記の措置を講じたことにより、基礎年金と厚生年金保険の報酬比例部分の合計額が低下する者には、その影響を緩和するための措置を講じる」とされている。  一方、IIの私的年金制度の見直しでは、iDeCoの加入可能年齢について、現行では、一定要件を満たす国民年金の被保険者や任意加入被保険者となっており、65歳未満の国民年金の被保険者が対象になっている。改正法では、「現行の加入対象者に該当しない、60歳以上70歳未満の者で、iDeCoの申出日の前日において、個人型年金加入者だったもの、個人型年金運用指図者だったものなどについても加入対象者とする」としている。

(編集部)

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