特集今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書
中小企業にDX化推進する人材育成等の 取組などの支援強化をすることが必要
厚生労働省は令和7年7月7日、「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書」をとりまとめ公表した。 報告書では、「これからの人材開発の基盤を強化していくための人材開発政策を検討するに当たって、重要な3つの『視点』として、①『個別化』(個々の労働者・企業の事情に合わせた人事開発を行うこと)、②『共同・共有化』(産業・地域等の単位で複数の企業が連携して人材開発を行うこと)、③『見える化』(労働市場及び企業における職務・スキル・処遇・人材開発の見える化を進めることにより、企業や個人の人材開発を促進していくこと)──を持つことが重要である」としている。 また、人材開発政策の基本的方向として、「労働市場でのスキル等の見える化の促進」、「個人のキャリア形成と能力開発支援の充実」、「企業の人材開発への支援の充実」、「人材開発機会の拡大、技能の振興」──を挙げている。 1つ目の労働市場でのスキル等の見える化の促進では、「今後、労働供給制約が強まる中で、働く意欲を持つ労働者が、それぞれの事情に応じて働き方や職業を選択し、労働に参加できる環境を整備することが重要である。そのためには、労働市場の需給調整機能を高めつつ、職務に必要となるスキル等の情報や、企業の人材開発の取組に関する情報を『見える化』することを通じて、労働者自身が職業や職務の選択を適正かつ自律的に行うことができる基盤を構築していくことが重要となる」としている。 2つ目の個人のキャリア形成と能力開発支援の充実としては、「個人が自律的に能力開発を進め、その能力を最大限に発揮することを可能とすることは、社会全体の活力を高め る上で望ましい。そのためには、個人が何をしたいか(Will)を明確にし、それに向かって能力を開発しキャリアを積めることを社会として支えるためのキャリア形成支援、能力開発支援の環境を整備していくことが重要である」と示されている。 3つ目の企業の人材開発への支援の充実では、「労働生産性の向上を図るには、職業訓練とともにその成果を労働生産性の向上に結びつける人事制度等の周辺の仕組みを整備すること、DX化を推進する人材の育成等の取組を進めることが重要であるので、それへの支援を強化することが重要となる。特に、大企業と比べて経営基盤が弱く、単独で人材開発を行うことが難しい中小企業に対する支援を強化することが必要である」と提言している。
News
- (令和7年度 地域別最低賃金額改定の目安を答申) 目安どおり引上げで全国加重平均1118円
- (民間主要企業春季賃上げ妥結状況) 額1万8629円・率5.52% いずれも令和6年上回る
- (令和6年度「技能検定」実施状況) 約32万6000人が合格して技能士は累計904万人突破
- (「全国労働衛生週間」10月に実施) 今一度職場におけるメンタルヘルス対策の点検を
- (令和6年度 長時間労働の監督指導) 違法な時間外労働42.4% うち約半数が月80時間超
- (令和6年度 雇用均等基本調査) 「男性の育休取得率」が10pt超増加して40.5%に
- (「令和7年版 厚生労働白書」) 社会保障は全世代を支えるとの共通認識など示す
- (厚労省「少子高齢社会等報告書」) 社会保障・労働法教育経験が関心や理解度高める
- (「第20回 日EUシンポジウム」) 安全で健康的な労働環境議題に9年ぶり日本開催
特集ひと はなし
働く方が希望する仕事につき意欲や能力を発揮できる社会づくりを進める
◆村山誠 職業安定局長に聞く
特集ひと はなし
幅広い労働者に対するリスキリング支援に取り組んでいくことが重要
◆宮本悦子 人材開発統括官に聞く
シリーズ相談です!弁護士さん
相談85 「試用期間中の者に適格性がなくて…」
~試用期間の「トリセツ」~
採用選考時に使用者が関心寄せていた点とミスマッチ生じているかが重要に
シリーズ労働保険審査会の裁決事例に学ぶ
76
出勤時に負傷した「腰椎椎間板ヘルニア」の通勤起因性
労務相談室
- 休業・休職うつ病により短期の欠勤繰り返す者/通算規定ないが休職発令は
- 労働契約法「スポットワーク」と昔からの「日雇労働」/どのような違いが
- 徴収法建設業の単独有期事業/労基署への届出など留意点は
【労働基準広報】読者会員専用サイトでは以上の記事の全文(PDF)を閲覧できます。