特集「同一労働同一賃金」の施行5年後見直し
最高裁判決を踏まえてガイドラインに退職手当・家族手当・住宅手当等追加
令和7年12月25日開催の「第29回 労働政策審議会 職業安定分科会 雇用環境・均等分科会 同一労働同一賃金部会」(部会長・小畑史子京都大学大学院人間・環境学研究科教授。以下「部会」)において、「同一労働同一賃金ガイドラインの更なる明確化」などを提言した「雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組の強化について(報告)(案)」及び「〈別添〉同一労働同一賃金ガイドライン 見直し(案)」が、審議の結果、とりまとめに至った。 上記の報告の「第2 必要な対応の具体的な内容」では、「同一労働同一賃金ガイドライン」について、「別添のとおり、更なる明確化を図ることが適当である」と提言し、〈別添〉に現行のガイドラインには記載がない❶退職手当、❷無事故手当、❸家族手当、❹住宅手当、❺夏季冬季休暇──などについて、通常の労働者と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、同一の手当を支給しなければならない(休暇を付与しなければならない)旨を追加するとともに、原則となる考え方や具体例が示されていない待遇であっても不合理と認められる可能性がある旨を明確化する記載を追加した(令和8年1月8日に職業安定分科会に報告)。 しかしながら、第28回部会の報告案(令和7年12月11日開催)では、使用者の待遇差の合理性の「立証責任」や「説明義務」、「無期雇用フルタイム労働者」に関する法的枠組みの変更(法改正を求める提言)は盛り込まれなかった。そのため、第29回部会では、上記の箇所に労使の代表委員の意見を追加するとともに、「第3 雇用形態又は就業形態にかかわらない公正な待遇の確保に向けた取組に係る今後の検討」の項目及び「今後、施行状況等を把握した上で、法規定の在り方も含め検討を加えることが適当である」との提言を追加することで、とりまとめに至ったもの。他方、「〈別添〉同一労働同一賃金ガイドライン 見直し」については、表記や文字の修正のみで、その修正は内容の変更を伴うものではなかった。 今後、「同一労働同一賃金ガイドライン」の見直し案については、関係する省令と指針(告示)等の改正案とともに、令和8年1月中に政府のパブリックコメント手続に進み、令和8年度中に諮問・答申が行われる見通し。なお、法律の改正を伴う提言はないが、改正省令や指針の施行・適用には、十分な期間を求める意見があることから、早くても令和8年10月以降になるものとみられる。
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